保健師のお役立ち情報

新型コロナ 新しい働き方改革へ

note
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言により、感染予防の1つとして「人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減すること」が挙げられ、企業には在宅勤務等で「出勤者を最低7割減らすよう」求められています。
政府の働きかけにより、これまで在宅勤務といった勤務体制を行ってこなかった中小企業をはじめ、多くの企業が急遽、従業員を在宅勤務にさせる等、テレワークへの移行対応に追われています。

さらに、政府が提言する新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」では、『働き方の新しいスタイル』として、以下のスタイルが望ましいと公表しています。

新しい生活様式の『働き方の新しいスタイル』

□テレワークやローテーション勤務
□時差通勤でゆったりと
□オフィスはひろびろと
□会議はオンライン
□名刺交換はオンライン
□対面での打ち合わせは換気とマスク

このような新たな『働き方改革』への対応が企業には求められています。

テレワークを導入している企業はどのぐらい?

総務省による、「平成30年版情報通信白書」によると、国内の企業における『テレワーク』の導入率は13.9%であり、そのうち『在宅勤務』の導入率は29.9%、営業活動等を外出先で行う『モバイルワーク』の導入率は56.4%です。また、勤務先以外のオフィスで仕事を行う『サテライトオフィス勤務』は12.1%となっています。
今回の新型コロナウイルス感染拡大による影響で、今後さらにテレワークの導入は進むと思われますが、現状として、まだテレワークに対応できる企業は多くありません。

在宅勤務等における注意点は?


テレワークに対応した機材や情報管理を整備するのはもちろん、在宅勤務等のテレワークを進めるうえでは従業員の健康管理もまた重要となります。
そんな従業員の健康管理を行うために必要なポイントの1つとして、厚生労働省のホームページでは『自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備』について紹介されています。

テレワーク環境をチェックしてみましょう。

□部屋
・設備の占める容積を除き、10㎥以上の空間
□窓
・窓などの換気設備を設ける。
・窓にブラインドやカーテンを設ける。
□照明
・机上は照度300ルクス以上とする。
□室温・湿度
・(エアコン等で)気流は0.5m/s以下で直接(風が)継続してあたらないようにする。
・室温17℃~28℃ 相対湿度 40%~70%となるよう努める。
□PC
・ディスプレイは照度500ルクス以下で、輝度はコントラストが調整できるようにする。
・キーボードとディスプレイは分離して位置を調整できるようにする。
・操作しやすいマウスを使う。
□机
・必要なものが配置できる広さがあるようにする。
・作業中に膝が窮屈でない空間があるようにする。
・体型に合った高さであるか、または高さの調整ができるようなものにする。
□椅子
・安定していて、簡単に移動できるようにする。
・座面の高さを調整できるようにする。
・傾きを調整できる背もたれがあるか。
・肘掛けがあるかどうか。

(厚生労働省HP 「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」より)

これまで主だった、対面でのコミュニケーションから画面越しでのコミュニケーションが増えることで懸念されるのは、コミュニケーションの難しさだけでなく、1人1人の従業員の健康状態が分かりにくくなる、健康管理が難しくなる点も挙げられます。
新型コロナウイルス感染予防だけでなく、これから長期的な目で「健康に働くためにはどうしたらいいのか」、健康経営の在り方がまた注目されています。






(参考資料)
厚生労働省 新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html

総務省 平成30年版 情報通信白書「広がるテレワーク」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd144310.html

厚生労働省 自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01603.html

厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000546971.pdf

厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を策定しました
https://www.mhlw.go.jp/content/leaflet.pdf

厚生労働省 情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/3003011.pdf

厚生労働省 テレワークではじめる働き方改革 テレワークの導入・運用ガイドブック
https://telework.mhlw.go.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/H28hatarakikatakaikaku.pdf