ジョブ・リターン制度
ここでは、「ジョブ・リターン制度」のご紹介と、制度を機能させるための留意点をご紹介します。
<「ジョブ・リターン制度」とは>
いったん自社を退職した従業員を再雇用する制度を導入する企業が増えています。
制度の名称は「ジョブ・リターン制度」や「カムバック制度」など、さまざまです。
2011年度雇用機会均等法基本調査によれば、こうした制度がある事業所の割合は53.1%です。
また、大手人材会社が2016年に実施した出戻り社員に関する実態調査では
220社中67%が「再雇用した経験がある」、70%以上が「条件が整えば再雇用したい」と回答しています。
人手不足対策として、こうした制度の導入・活用は企業にとって有効と思われますが
実際にどのような取組みが必要なのでしょうか。
<人材確保のための導入企業の取組み>
①退職理由を限定しすぎない
2000年代前半に導入が広がった当時は、結婚や出産・育児が理由の退職者を主なターゲットとしていました。
しかし、近年は退職者を広く受け入れるため、「介護」や「配偶者の転勤」、「転職」、「留学」といった
理由での退職者も対象に含めたり、理由を問わず対象に含めたりするところが増えています。
②積極的に制度周知を行う
制度を利用してもらうためには、制度の存在が知られていることが不可欠です。
そのため、導入企業では退職時に制度説明を行うとともに、リストに登録するかどうかを確認しておき
募集時にはリストに登録された退職者から優先的に選考したり、退職者に定期的に郵送で再就職を
呼びかけたりしている企業や、専用サイトを設けている企業もあります。
③再雇用時に細かなフォローをする
復帰に意欲的な退職者であっても、ブランクに対する不安があったり、状況の変化により
在職時と同じ働きかたでの復帰は難しいなどの事情を抱えていたりすることから
導入企業によっては研修期間を設けたりしています。
元従業員といえども、新規採用者と同様に雇い入れ後の働き方に関する希望や条件を
ヒアリングするなど、丁寧な対応を心がけましょう。