若手人材の確保も!「地域限定正社員」
いわゆる「多様な働き方」のひとつである「地域限定正社員」。
「勤務地限定正社員」や「エリア限定正社員」等と呼ぶ場合もあり
一般的には下記の条件で契約した正社員を指します。
・勤務地を特定し、転勤の対象とならない
・通常の正社員に比べ、給与水準が低い
<若手人材にも人気の働き方>
地域限定正社員といえば、育児や介護などの家庭事情により
転勤が困難な社員のニーズが高いように思われるかもしれませんが
最近では、新卒採用者や就活生にも注目されています。
<就活生の7割、地域限定正社員に応募意向>
日本生産性本部「2017年度 新入社員 春の意識調査」において
「『働き方改革』で最も関心のある勤務形態は何か?」(6項目より選択)
という質問に対し、「転勤のない地域限定勤務」が27.0%で1位となりました。
また、労働政策研究・研修機構「大学生・大学院生の多様な採用に対するニーズ調査」で
「就職活動開始時の限定正社員に対する応募意向」を調査したところ
「地域限定」が72.6%となり、「勤務限定」(58.0%)、や「勤務時間限定」(52.8%)を
大きく上回る結果となりました。
売り手市場のいま、若手の人材は自身の働き方に対して様々なニーズを持っていますが
「転勤をしたくない」というニーズはとりわけ強いようです。
転勤を必要とするような複数の事業所があり、転居を伴う異動をおこなう企業にとっては
「地域限定社員」が制度化されているか、そしてそのことを募集・採用時にアピールできるかどうかが
人材確保や早期離職防止の観点から重要といえます。
<正社員と地域限定正社員の賃金バランス>
地域限定正社員を制度化するにあたって難しいのが、いわゆる正社員と地域限定正社員の
給与のバランスです。両者のバランスがとれていなければ、それぞれが不公平感を募らせ
トラブルのもととなってしまいます。
厚生労働省「『多様な形態による正社員』に関する研究会報告書」によれば
いわゆる正社員の賃金を100としたとき、地域限定正社員の賃金で最多だったのは
「80~90未満」で29.1%、次いで「90~100未満」の22.4%となっています。
世間の相場を参考にしつつ、自社の実情(各事業所間の距離、転勤の頻度等)を
十分に配慮して、両者が納得できる給与体系にしたいものです。