行政機関や企業、学校など様々な場所で、多くの人の健康を維持するための活動を行う保健師。
保健師の人数は、2014年まで右肩上がりで増加しており、今後も増加傾向にあります。
保健師教推移 | 2004年 | 2006年 | 2008年 | 2010年 | 2012年 | 2014年 |
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保健師総人数 | 39,195 | 40,191 | 43,446 | 45,028 | 47,279 | 48,452 |
対前回増加人数 | 829(2.2%) | 996(2.5%) | 3,255(8.1%) | 1,582(3.6%) | 2,251(5.0%) | 1,173(2.5%) |
出典:厚生労働省「衛生行政報告例」
保健師の仕事に従事するにはどのような方法があるのでしょうか。
保健師とは、保健師助産師看護師法に定められた国家資格ですので、まずは国家試験を受験し資格を取得しなくてはなりません。
保健師国家試験を受験するためには、厚生労働省にて定められた看護師の基礎教育を終えた後、
保健師養成カリキュラムを受講する必要があります。そのため、保健師資格を取得するためにはまず看護師資格を取得する事が大前提となります。
具体的には主に2つのパターンによって受験資格を得る事ができます。
1つ目は保健師、看護師の統合カリキュラムを採用している看護大学や専門学校に入学する事。
2つ目は看護師の基礎教育を終了した方が新たに保健師専門教育を受けるため保健師学校に通う事があります。
保健師の資格取得に対して、どちらのパターンが望ましいという事はないため、自身の状況に合った選択をする事が良いと考えられます。
なお、統合カリキュラムの学校に通うと看護師と保健師の国家試験を同時に受験する事になり、看護師国家試験には
不合格でも保健師国家試験に合格するという事も考えられます。このような状況から以前は保健師資格のみを保有する方もいたようですが、
2006年に保健師助産師看護師法が改正されたことで、2007年以降に保健師資格を取得しようとする方は、保健師国家試験と
看護師国家試験の両方に合格しなければならず、看護師国家試験が不合格であれば保健師国家試験に合格しても免許は得られなくなりました。
保健師国家試験は具体的にどのような内容なのでしょうか。
試験内容は、公衆衛生看護学、疫学、保健統計及び保健福祉行政論です。
試験概要は毎年8月に厚生労働省ホームページで発表され、受験希望者は、試験日程、試験地、
科目、合格発表や願書受付の仕組み等の詳細が分かります。
試験は、毎年2月中旬~下旬に実施され、合格発表は毎年3月下旬になる事が大半です。
合格率は平均すると約80%~90%以上と高い事が特徴です。
公衆衛生とは地域全体において包括的に実施される健康への取り組みです。
それらの取り組みを前提として保健師が何を行うべきかをまとめたものが公衆衛生看護学です。
これは地域看護学とも言われ、高齢者、精神障害者、身体障害者、知的障害者、難病患者、妊産婦、新生児などが対象者となります。
保健統計学とは、医療、疾病、保健等に関する統計から問題点や予想される出来事を推測し、
対処していくための指標となります。年齢や地域毎に疾病を集計したりする事で傾向が表れて、
具体的な対策を検討する事ができます。
疫学とは、集団における疾病の発生率や原因を調べるものです。主に流行病などの危険性を図る際に用いる考え方です。
原因や頻度を知ることで、病気に対する具体的な対策を検討する事ができます。保健統計学とも重複する点が多いです。
保健福祉行政論とは、健康の維持増進を図るための活動を、行政の立場から計画、実施するための制度、
機能や仕組みになります。行政で働く保健師は多いので、この仕組みを理解することはとても重要です
産業保健、行政、学校など就業先が異なっても、どれも重要な考え方であり、必要な専門知識になります。
■保健師資格を取得したら改めて見るととても専門的な「保健師資格」
実際に保健師の資格を取得したら、どのような働き方ができるのでしょうか。
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