保健師の活動分野は複数ありますが、行政や産業保健分野で働く方が多数いらっしゃいます。
それぞれの就業先によって働き方に違いがあるのでしょうか。
産業保健師は、主に民間企業で従業員に対する「心と体の健康管理」を主な仕事として勤務します。
1次又は2次予防をテーマとして所属する従業員に対して健康診断などを通じて運動、食事等に関わる保健指導をしたり、
メンタルヘルスに関わる相談、休職者の対応、職場復帰の支援などを行います。
保健センターが母子や高齢者を対象としたケースが比較的多いのに比べ、
産業保健分野では、基本的に健康な社会人(成人)を対象とする事も特徴の一つです。
また就業する企業によっては人事労務関連の業務に携わる事もあり、対面での業務だけではなく、
デスクワークの能力も必要とされます。
健康管理に対する考え方や具体的な取り組みについて十分に理解し、必要な業務に対応していく柔軟性が大事になります。
なお、平日の日勤が一般的であり、残業もそれほど多くなく、ワークライフバランスが良いため、
プライベートとの両立が図りやすく長期で勤務できる事が魅力の1つです。
行政保健師は主に都道府県や市区町村に所属する「保健所」や「保健センター」で公務員として勤務します。
都道府県管轄の保健所では、公衆施設の衛生管理や感染症対策など1次予防をテーマとした調査や分析などを行い、
制度の啓発活動などに携わるため、重要な法令知識の理解や企画力、統計能力などが経験として身につきます。
また、市区町村管轄の保健センターでは乳幼児の検診や、高齢者を含めた地域住民に対する病気の予防を目的とした
健康相談、難病予防、メンタルヘルスなどの支援活動など2次又は3次予防に携わります。
幅広い年齢層の個人との関わりが深く、個別の問題に対応する事が多いため、柔軟な対応力が必要とされますが、
地域の方々とのコミュニケーションが多く、頼りにされる存在として必要とされる事は大きな魅力の1つです。
2015年現在では保健師全体の約75%が「行政保健師」として勤務しているのが現状です。
しかし高齢化社会が進み、世の中の健康志向が高まる中、『健康問題の制限なく日常生活が送れる「健康寿命」を伸ばそう』という
国家的な働きかけもあり、民間企業でも健康で生産性の高い会社組織をつくる事が経営において重要と考えられるようになってきました。
フィジカルの対応はもちろん、メンタルヘルスの活動は特に重要視されております。それらの背景に伴いフィジカル、メンタル、
ともに対応できる専門性をもつ保健師は産業保健分野において、必要不可欠なスペシャリストとして、今最も求められているのです。
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