保健師のお役立ち情報

企業に求められる早急な風しん対策

止まらない風しんの流行


風しんの流行が止まりません。

平成23年から、海外で感染して帰国後発症する輸入例が散見されるようになり、平成25年には累計14,344例の報告があり、風しんが全数報告疾患となった平成20年~平成25年では最も多い報告数となりました。

この流行の影響で、平成24年10月~平成26年10月に、45人の先天性風しん症候群の患者が報告されました。その後、平成26年から平成29年にかけては、各々年間319例、163例、129例、93例の報告があり、平成23年以前の水準に落ち着いていたものの、平成30年には7月下旬頃から関東地方を中心に患者数の報告が増加しています。(厚労省HPより)

このため、厚生労働省では風しんに関する特定感染症予防指針の改正を行い、さらに感染拡大防止の追加的対策として、これまで予防接種法に基づく、定期接種を受ける機会がなかった1962年(昭和37年)4月2日から1979年(昭和54年)4月1日までの間に生まれた男性を対象に2022年まで抗体検査と予防接種を原則無料で提供しています。またその利用クーポン券を市区町村より発送しています。クーポン券が送付されない対象者も市区町村に希望すれば、抗体検査を受けることができます。

風しんとは? どのような症状が出るのか?

風しんとは、風しんウイルスによって引き起こされる『急性の風しんウイルス』によっておこる、急性の発疹性感染症です。飛まつ感染などによって感染し、風しんへの免疫がない集団において、1人の患者から5~7人にうつる可能性のあるほどの強い感染力があるといわれています。

感染すると、発熱や発疹といった症状が認められ、多くの場合は数日で治ります。子どもより成人が罹患すると重症化しやすい傾向にあり、高熱や発疹の長期化や関節痛が起こることもあります。
風邪の症状と似ていますが、判断は難しいので、風しんを疑う症状が出たら、医療機関に連絡をし、早めに医師に相談することが大切です。

妊娠初期(妊娠20週以前まで)の女性が風しんウイルスに感染すると、産まれてくる子どもの眼や耳、心臓等に障害(先天性風しん症候群)が起こることがあります。子どもへの障害は妊娠1ケ月で感染した場合は50%、妊娠2ヶ月で感染した場合は35%の確率で起こるとみられています。(厚労省HPより)

留まることのない流行を受けて、厚労省主催の初の企業向け対策セミナーが開催

厚労省によるクーポンの配布等の対策にも関わらず、クーポンを利用した人は今年度の対象者の5%に留まっています。仕事を休んで、抗体検査や予防接種を受けることは企業の協力なしには難しいのです。

理想的なのは、企業内の健診等の機会を利用して、社員に抗体検査や予防接種を行うように社内で働きかけてもらうことです。
厚労省は対象世代に対する抗体検査や予防接種の実施率の向上には企業の協力が不可欠であるとし、厚労省主催で2019年9月に企業向けの風しん対策セミナーが初開催され、189社が参加しました。(朝日新聞より)
社内の安全衛生、福利厚生担当者、産業看護職には今、早急に風しん対策が求められています。

社員の風しん対策を行うことは、それが社員の家族、お客様の健康を守るだけでなく、企業を経営していくうえでも重要になります。

厚労省からの風しんに関する情報はこちらをご覧ください。



(参考資料)
厚生労働省HP
・風しんについて
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index.html
・風しん対策 企業向けセミナー実施のご案内(令和元年9月10日 初開催)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06426.html

朝日新聞 2019.9.18 風疹流行、進まぬ感染防止 無料の抗体検査、5%どまり 自覚せず拡散、専門家ら警鐘