保健師の仕事として代表的な業務の1つが「健康診断」です。
保健師は対象者である従業員に対して実施日時や受診方法の案内文書を作成し、社内に周知します。
また健康診断の実務(採血、心電図、身体測定、問診等)は外部健診機関へ委託する場合も多く、
そのような健診機関との連絡、調整なども担当します。
その後、健診結果を基に有所見者に対して保健指導を実施する事もあります。
さらに健診結果データの入力・集計・分析し、必要に応じて従業員向けの教育、研修、イベント企画などを実施する事もあります。
保健師が民間企業において勤務する場合に、「メンタルヘルス対応」の役割を求められる機会が増えて来ております。
従業員が健康で生産性の高い仕事をするために産業保健におけるメンタルヘルスの重要性は日に日に高まっています。
保健師は従業員へのメンタルヘルスに関わる相談など、人事担当者や産業医、臨床心理士などと連携して対応したり、
休職者への状況確認、復職者への定期的な支援など、多岐にわたる業務に携わります。
また、2015年12月より改正安全衛生法が施行されストレスチェックが義務化されるため、
安全衛生委員会での会社方針の決定、従業員への周知徹底、検査実施に係る事務作業、集計・分析など、
新たな取り組みも増えていき、これまで以上に保健師に求められる業務範囲は広くなっていきます。
「企業において、保健師が求められるメンタルヘルス対応」についてもっと知りたい方は・・・
プライマリー・アシストでは、企業で働く保健師、看護師の方を対象に「メンタルヘルス講座」を開催しています。
メンタルヘルス対応をする際のポイントや具体的なアプローチ方法など実際の業務や転職活動にいかせるヒントがたっぷり。
・産業医の面談日程の調整や同席・記録等
・入社者に対するセルフケア研修、管理職に対するラインケア研修などの企画・実施
・特定保健指導の実施・健診データの集計、調査、分析の実施
・ウォーキングラリー、禁煙プログラム等、イベントや啓発活動の企画、実施
保健師のスキルとして専門知識を有する事は当然ですが、それ以外に求められるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。
勤務する企業によって対応する業務は様々ですが、求められるスキルには共通点があります。
企業の担当者に聞いた保健師に求める「スキルベスト3」をご紹介します。
「相談者の話を傾聴し、理解する。」その結果、信頼関係が生まれ、従業員の方も保健師の指導に耳を傾けてくれるようになります。
従業員の方はすでに病気を患っている方と違い、健康な方が対象となる事が多いため、一方的な指導では聞き入れられず、
適切な対応とはいえません。また、保健師は一人で健康管理体制をつくるのではなく、産業医、衛生管理者をはじめとした
複数の専門スタッフと連携を取る必要があります。
それらの点においてコミュニケーションスキルは保健師にとって最も必要なスキルとなります。
病気になる前の方に健康管理の大切さを伝えていく事は簡単ではありません。
そこで健康管理に力を入れている企業では、「ウォーキングラリー」や「禁煙啓発イベント」、
女性に対しての「美容と健康を関連づけた保健指導」など様々な取り組みをしています。
健康管理の促進には各従業員の意識付けは非常に重要であり、企画立案に関わる保健師には柔軟で豊富な発想が求められるのです。
企業の健康管理体制は複数の専門スタッフにより成り立っている場合があります。
臨床心理士、産業カウンセラーなどのメンタルヘルスのスペシャリストがいたり、栄養士などの食事や運動を軸とした
フィジカル面のスペシャリストなど、様々な専門職が存在します。
その中でも産業保健師はメンタル、フィジカル双方の専門知識を有する「オールマイティ」な存在です。
産業医も同様に思われるかもしれませんが、非常勤として限られた時間で勤務する方が多いため、
健康管理という今最も求められているプロジェクトのプロジェクトマネージャーとして
「全体の管理、調整をする能力」が保健師に求められているのです。
【番外編】
・パソコンスキル
⇒デスクワークが比較的多く、資料作成やデータ集計、文書作成など、メール利用、エクセルやパワーポイントでの資料作成は欠かせません。